整体:体は、整えられる

ウェル・エイジング~理想の年の重ねかた

 

あなたにとっての「理想の年齢の重ねかた」はどんなものですか?

ひところ流行った「アンチ・エイジング」。

私は『ウェル・エイジング』のほうがよい言葉なのに…と常々思っていました。

 

どう生きたいのか。

を考えると、

どう死にたいのか。

『終活』なんて言葉もありますが、ここにたどり着きます。

 

2017年夏休み。旅先に持っていく本のなかに、深沢七郎『楢山節考』をチョイスしてしまいました。

舞台は、今にも雪の降りそうな山深く貧しい、信州あたりの集落。そしてテーマが姥(うば)捨て伝説……はっきりいって間違った選択(-_-;) ビーチでは数ページしか読み進める事ができませんでした。。

 

 

楢山節考、姥捨て伝説

小説「楢山節考」は、昭和31年の中央公論新人賞作品、古いっ…。2度の映画化で観た方も多いかもしれません。

私も遠い昔に読んだ短編小説。正直に申し上げて、文庫に併録されたロカビリー青春小説「東京のプリンスたち」のほうが印象に残っていたくらいでした。でも「楢山」この秋に読み返してみたかったのです。そしてあらためて、考えさせられました。これは現代にも(にこそ)有効な作品でしょう。

 

ご存知ない方のために簡単なストーリー…

“貧しい村の因習に従い、年老いた母を背板に乗せ、真冬の楢山へ姥捨てにゆく物語。自らすすんで『楢山まいり』の日に備える老いた母と、優しい孝行息子との間の無言の情愛…”といったところ。主人公である「おりん」さんは、69才。この村の因習では70才になると『楢山まいり』つまり口減らしのために山に入る。。。

 

のですが!そんなイメージと違い筆致は驚くほど軽くて、随所に笑える要素も散りばめられています。ギタリストでもあった深沢氏こだわりの田舎歌がたくさんでてきてカラフル。自作の♪楢山節の楽譜まで掲載されています。

 

おりん はこの年齢になっても立派な歯をたくさん持っていて、それを恥だと考えています。たくさん食糧を消費してしまえるから。それで、皆に隠れて石臼に顔面を打ちつけて、とうとう前歯2本を失い大喜びするシーン(-_-;)があるくらい(ここなんてもう、ほとんど漫☆画太郎の世界)。

 

 

年を重ねる覚悟

 

この作品の何が美しいって、おりんさんの覚悟です。その年を迎えたら、しっかりと楢山に向かうのだ。自分の最期はしっかりと飾るのだ、という意思。もちろん動機は「口減らし」なのですが、そうした彼女の覚悟が、物語を哀しいだけのものでは無くしています。自分がいなくなってから家族が見つけるご馳走まで、しっかり用意して。

いやいや・・・老いた母をおぶって冬山に置き去りに連れていく息子の気持ち、ここはもうグショグショに泣けてしまう部分なのですが、、、

やはりおりんさんの覚悟、人としての在り方。これが、暗いストーリーの読後感を、スーッとしたものにしてくれています。ここで描かれる母と息子間の相互「リスペクト」も、何というか静かだけど、気持ち良い。どうしたらこんなテイストにこのテーマを描きあげられるのでしょう。

 

先ほど調べていて知ったのですが、作者の実母も「自らの意思で死におもむくために餓死しようとしていた」くらい壮絶な最期だったそうです。…なるほど。

 

ぜひ、あなたも読んでみて下さい。図書館にあるでしょうし、古書店の店先ワゴンなどにも必ずあるはずです!

 

理想の年齢の重ねかた

 

さて、あなたにとっての「理想の年齢の重ねかた」はどんなものですか?

どう生きたいのか。

すなわち、どう死にたいのか。

 

学生の頃はまだ若すぎて?この小説作品は、一方向からしか響かなかったのかな、と。私も両親を亡くし、人生の残りもあと半分きった?今だから感じることってたくさんあるものですね。

 

イトウカイロのクライアント様でも、親御さんの介護の只中、もしくはちょうど役目を終えたところ…という方が多いです。体力的にも、精神的にも、皆さん本当に大変そうです。せめてお背中から元気になれ!と施術させていただくのが精一杯の私の仕事です。

 

自分で決められるひとに

 

そんな方々のお話を聞いていて。

そして、齢は重ねてもまだまだお元気なクライアントさん達を見ていて。

私が気持ちがいいな、と感じるのは『自分で決められるひと』です。

 

どう生きるのか。

どう死ぬのか。

 

医者が決めるのでなく。家族とは話し合うとしても、世間の目や常識、誰かが決めるのでなくて。受け入れて、決めて、生きる。そんな「老いた人」はカッコいいな、と感じています。それぞれのやり方があってよいし、みっともない部分があったって別によいです。ただ、覚悟といいますか意志があるとよいな、と。(ここが出来なくなる、というのが認知症の一番こわいところ・・)

 

イトウカイロにも、後期高齢者(本当にいやなネーミング!)というカテゴリーからは信じられないくらい「お若い」方々がお見えになります!!そういった方々のお身体を拝見していますと、70才を超えても本当に人それぞれ!つくづく、養生の大切さを感じます。

そして元気な方々はある種共通した心持ちをお持ちです。

皆さん、意志をもって人生を“楽しんで”いらっしゃる。

いい意味での「あきらめ」と「こだわり」の捉われないバランスをお持ちでいらっしゃる。

だから、笑顔が多い。いつも、勉強させていただいております。

つくづく「こんなジイさんになりたいな」と思います。自分で、受け入れて、決められる。あとあの笑顔。

 

こうした方々が、養生のために お背中整えにいらして下さるのです。

ご自身で 『*週間に1回、からだを整える』と決められて。

それは、皆さんあちらこちら痛いところもあるでしょう。病歴だってひとつやふたつは。

だけど、医師に言われた予後をそのまま呑みこまず(反抗とは違います)、何より自らの体を信じて、楽しんで、やるべき事をやっている。

若い頃にムズかしく考えていた「生きる意味」とは?の答えを見せつけられる思いがいたします。

意志をもった生命、皆さんカッコいいです。

 

あなたは、どんな風に年を重ねていたいですか?

ブッダが言っていた一番大切な点は「人はいつかみな死ぬ」だったと思います。

死に向かうそのあり方。心持ち。どう、受け入れ 決めるのか。

今からでも準備できる事ですよね。

ちなみに「楢山節考」の深沢七郎、もともとギタリストで、42才から小説書いたり、牧場やったり、タイ焼き屋さんやったり・・・すっかり興味が出て、その他の作品も入手。….人生相談物なんて、高田順次超えるほどいい加減オヤジで痛快でした!

 

***

イトウカイロの「カイロ」は、驚くほどソフトな手技ですから、年齢にかかわらずお受けいただく事ができます(医師から受けている指示などは、初回時にしっかりお知らせいただいております)。ささやかながら、70才以上の方々向け施術料金コースもございます。ご利用ください。

 

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